ママはママで初めての育児だったし、
ゆーかを通して自分の子ども時代の傷に触れることがたびたびあり、
また、感情に任せて怒鳴ってしまう自分が本当にイヤで、
自己嫌悪のカタマリだったように思う。
パパとも話したことがあるけれど、
もしも子どもを産むことがなかったら、
こんなふうに鬱の症状に苦しむことはなかっただろう、と。
母親失格だと何度も思ったし、
泣き叫ぶゆーかを抱き締めて何度泣いたかわからない。
JINが生まれて、ゆーかもママも大きく変わった。
もちろん、初めの頃はJINにヤキモチを焼いて、
ゆーかの中にもかなりの葛藤があっただろうけれど、
今のゆーかは本当に「頼もしいおねえちゃん」だ。
ママがJINを怒鳴ったりしようものなら、
「JINはそんなつもりでやったんじゃないよ!」と、
必死でかばおうとするし、理不尽なことで叱ろうものなら、
こっちが舌を巻くくらいのイキオイで、
「ママ、それはおかしいよ!」と怒られる(苦笑)。
お米を研ぐのもママよりも上手い。
カレーやシチューの下ごしらえは完全にゆーか任せで、
ママはすっかりラクさせてもらってる。
お風呂だってゆーかがJINを入れてくれる。
JINの扱いはパパやママなんかよりもずっと上手い(笑)。
ゆーかはとても話すのが早くて、しっかりと話すもんだから、
ママもパパも「ゆーかは何でも理解してる」と思いこんでいたけれど、
今のJINのたどたどしい赤ちゃん語まじりの話し方を見てると、
あの頃のゆーかだって理解力はそう変わらなかったはずなのに、
なまじ言葉が上手に話せるだけで、ゆーかへの点が辛くなっていた。
そんなこともJINが生まれるまでは気がつかなかったことだ。
JINの誕生はゆーかとママの関係を深めるための、
とても大きなきっかけになったと思う。
出産・転勤をきっかけに精神状態が不安定になって、
そのことで家族に、特に子どもたちには・・・
かわいそうな思いをたくさんさせてきたし、
きっとこれからだって、そういうことはあるだろうと思う。
でも、ママが心を病んだことで、ゆーかやJINはたぶん、
「言葉では決して教えられないもの」を、
たくさん学び取ってくれたのだと思えてならない。
あたしは感情的になって怒鳴ることもしょっちゅうだし、
泣いたり笑ったり、とても忙しい性格だけれど、
そのことで「母親失格」だとはもう思わない。
いつだったか、整体の先生に言われたことがある。
「お母さんはね、感情的に怒鳴ってもいいんです。
それができるのは母親だけなんですよ。」と。
あたしもそう思う。
もちろん、やみくもに何でもかんでも感情任せで、
怒鳴っていいというワケではないけど。
母親の機嫌が悪いとき、子どもはどう接するといいかを、
子どもなりにとてもよく考える。
「場の空気を読む」ということはきっと、
こんな日常の中から生まれるのじゃないかなと思ったりもする。
とはいえ・・・
まだ子育ては始まったばかり。
子育ちも親育ちもまだまだこれからなんだろう。
あたしは正直言って、決して「いいおかあさん」じゃない。
だけど、あたしはゆーかとJINが大好きだ。
好きで好きでたまらない。
そして、こんなあたしのコトを「だいすき♪」と言って、
抱き締めてキスの雨をふらせてくれるゆーかとJIN。
難しい子育て論はわからないけど、
お互いに「だいすき」を忘れないということが、
あたしには一番大切なことのように思える。
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